保守的風土・富山に挑戦する気概を! (H16.10月)

保守的風土・富山に挑戦する気概を! 今、富山の政治と経済は、どうなっているのだろうか。
どう変化しようとし、又青年に何を求めているのだろうか。 
平成16年10月、富山ブロック協議会2004年度会長・中村文隆君、青年会議所JC現役メンバーでもある富山県議会議員・神田正邦氏、夏野元志氏、山本徹氏、そして㈱インテック取締役社長・中尾哲雄氏に集まっていただき、富山の現状そして未来への思いを熱く語っていただいた。

*参加者*
㈱インテック取締役社長 中尾哲雄
富山ブロック協議会 2004年度会長 中村文隆
富山県議会議員 神田真邦・山本 徹・夏野元志

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保守の風土、富山
中尾 富山は自然にも恵まれていますし、教育のレベルも高い。また、日本海側では経済活動も一番活発です。薬などの伝統的な産業に加え、アルミ関連、機械工業、化学等も元気がよく、バイオ、IT関連の企業も育ちつつあります。対岸との交流も盛んで、とてもバランスがとれた地域だと思っています。
もうひとつ、地方、富山の豊かさは「時間」だと思いますね。東京では通勤をはじめ移動に時間を要します。富山に住む人は東京に比べて一日一時間多く、25時間生きているのではないかと思うのです。ゆったりとした時間の豊かさ、それが人々の心の豊かさにつながっていますね。しかし、この時間をどのように使うか、自己啓発に、あるいはボランティア活動に。学ぶという点でこんないい環境はありませんね。富山は住み易さ日本一、なんでも日本一をいい過ぎるのではないでしょうか。住み易さを他県と比べて順序をつけるのはナンセンスだと思っています。われわれの富山の住み易さをどのようにレベルを上げていくかを考えるべきで、比較すべきものではありません。みんなが富山を No.1と思っていると県民はみんなこれで満足してると思ってしまう。保守的になってしまうと思うんです。現にそうなっている面があります。経済も比較的安定している、住環境もいいとなると、新しいものに挑戦していく風潮がなくなっていく。ベンチャービジネスに対する挑戦の風潮が他地域と比べてないのではないかと心配しているんですよ。安定していると保守的になる、新しいものへ挑戦しない。安定や豊かさの中には危機が孕んでいると時折不安になりますね。みなさんの自民党も保守党なんていってたらだめだな。自民党だって革新的じゃないですか。何を改革すべきか、しちゃいけないか、ちょっとごっちゃになっていて心配な面もありますが、とにかく自身を保守党なんて呼ぶのはやめたらいいね。
 話はそれましたが、とにかく「保守的な風潮」は危険だね。このような状況の中で新幹線が来ても、富山の経済力は東京へ吸いとられてしまう。ストロー現象ですよ。新幹線のもたらす「プラス」よりも「マイナス」が大きくなって格差拡大になっては元も子もない。いまからこの保守性を打破していく姿勢が必要でしょう。われわれももっとがんばりますから、若いJC、若い議員のみなさんに期待したいですね。
神田 政治にも保守的な部分があり、それはやはり反省しなければならないと思います。 政治の世界に入る前は、まちづくりに対し理想論を話していましたが、政治の世界に入ると現実をしっかりと見据えながら提言を聞かなければならなくなりました。今青年会議所の皆に話しているのは現実と整合性を持てるような取り組みをするよう求めています。それは私が今まで理想の形の中で活動してきた反省点として言わせていただいています。それがまちづくりにもつながっている、と思います。理想を現実に変えるには、政治に参画していかなければならないので、政治を動かすほど、ではないが認知されるほどの活動が必要だと考えています。
欠けているのは勇気
中村会長の、小杉町の合併問題を含め直接若者の手でまちをつくりあげていった経緯について
中村 確かに私達青年は理想をどうしても追求してしまおうとし、現実と乖離してしまうことがあります。ただ、声を上げなければ何も変わらない、と思います。声を上げて前に突き進すむ、またその変わるきっかけを創り出すのも我々青年にしかできない役割ではないか、と思っています。
 行動して初めてわかることは実際に行動することによって乖離している部分をどう埋めて、自分たちの理想に近いものに如何に近づけていくか、という努力が必要になってくるということです。最近のJCには英知も情熱もあるが、今ひとつ欠けているのはそういった時のあらゆるリスクを恐れない勇気ではないか、と思います。私はよく言うのですが「出る杭は打たれるが、出すぎた杭は打たれない」ということです。 今回の合併に関しても、必ず誰かがやらなければなりません。まちづくりに必要なものとして、よそ者、若者、ばか者の3つが言われますが、若者の集まりである青年会議所が 恐れることなく自ら動かないと始まらないという思いがあります。
青年と政治
どうしたら若者が政治に関心を持っようになるでしょうか
中尾 若者の政治離れ。昔もそうだったんでは。いつの時代も一緒ですが、とくに今はひどいのかな。学校、家庭、社会で、みんな全体より「個」が大事だという教育をやってきたことも原因だと思います。働く気のないフリーターとやらが500万人もいる、政治に関心をもつはずがありません。自分たちの国、地域をどうするかということに大人ももっと真剣になってほしい。仕方がないとあきらめている訳にはいかない。まずJCがもっと「政治」を活動のテーマに取り上げてはどうでしょうか。JCからこんな立派な議員が何人も出ていること、これはすばらしいですね。
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中村 青年会議所は以前と違い、教育基本法改正・公職選挙法改正・地位協定見直しなどの政府への提言や公開討論会の実施・マニフェスト普及運動など、政治に積極的に関わるように変わって来ています。20代から40代までは一番政治に関心のない世代といわれています。丁度その世代に当てはまる私達青年会議所が、選挙や政治に対する同世代の若者の関心を高め、自ら積極的に変化を創りだしていく必要があります。
山本君は高岡市長選でフォーラムを実施し、地域住民に政治への関心を高めてもらっています。政治の世界に若者を取り入れたことについて一言
山本 市長選の公開討論会について、候補者の不安や不満をクリアにしなければなりませんでした。これまでは個人演説会という形で候補者が話すことを有権者はただ聞いているというスタイルでしたが、これからはそうではなく「この問題だったらどう考える」といった生の声を候補者から聞くことで、政策の違いもはっきりするし、受け答えや身のこなしなどでも人柄がわかると思います。そういう意味でこのスタイルが定着すべきです。
情報の共有に向け
夏野 今自分たちが思うことは活動を通じて政治というものに関心を持っていただきたい、ということです。その一方で県民の皆さんがどんな風に政治に関心を持って頂けるか、ということになりますと、最近思うのはやはり県では情報の公開というものをいかにして住民と共有をしていくか、ということです。それによって、県でこういう施策をや条例をやっていますということがどういう背景でこうなっているのかを県民の皆さんに把握して頂けると思います。また行政として出来ない部分というのはこれからも間違いなく出てくると思われますが、「では自分たちで何かできることがあるのではないか」という考え方に、県民の皆さんが変えて頂けないかと思います。つまり情報を共有していくことがこれからの大きな課題だと思っています。
中尾 まったくそのとおりですね。「何かをしてくれる」のもとで若い人は育ってしまった。自分が国や地域のために何ができるかを問う姿勢、そこに政治への関心が生まれてくる。私は富山県のHP(ホームページ)をよく見ますが、なかなかよくできていますね。しかし、情報の共有というのはちょっと違うのではと思います。知らせる、告知する、これも結果として情報の共有になりますが、共有の意味するところは双方がその情報を利用し、生かしていくということです。県のHPに、ときには各々の情報についての県民の意見が出ているというのもいいですね。議員の方々も支持者にいろいろな形で情報を提供していますが、「選挙をよろしく」ばかりでなく、日頃からの報告会、勉強会をもっと少人数でもやってほしいな。政治は汚いものというイメージを払拭して楽しいものに変えるのは若い議員さんの役目でもありますね。
中村 情報公開に関しては各自治体で色々公開はしているんですが、知りたい人がインターネットで検索するというレベルのものがほとんどで、青年会議所や他の団体が住民にわかりやすく伝えることをしていかなければならないと思います。つまり情報公開ではなく情報提供ですね。そういう窓口になるのも青年会議所の役割なのではないかと思います。
富山の経済と環日本海構想
中尾 物価も賃金も資産価格も凍りつくデフレ、歳出の半分ぐらいしか税収でまかなえない財政、そんな中でわが国の景気が回復しはじめたのは中国、韓国、台湾など地域を越えてひとつの共通経済基盤ができてきて、そこへの投資、経済交流がいい結果をもたらしはじめたと見るべきでしょう。 富山県でも環日本海構想がはやくから提唱されていますが、そのためにまず近隣諸県ともっと仲良くして、対岸諸国を含めた日本海経済圏を形成していく必要がありますね。環日本海構想を東京の調査機関に丸投げしていてはだめ。行政も企業も地域の調査機関、大学みんな力を合わせていく必要があります。人々の交流を盛んにし、富山でも多くの若い人に中国語や韓国語を学んでほしいと思います。いまは日本語を教えることに力が入っていますが…。国際化よりまず県際化・市際化を私は早くから〝県際化〞ということをいってきました。人々が増えない地方は人々の交流によって活性化をはかっていく必要があります。人々が交流すれば企業と企業が業際化をすすめていく、各々のもっている技術を組み合せて新しいものを創り出す業際化。そして、道州制にならなくても実質的(ヴァーチャル)な道州制をつくっていけばいい。行政としての県の組織はそのままでも、何県かが合併したかのように、できるところを一緒にやっていく、それによる合理化をはかるvirtual道州制ですよ。これは県と市町村、市町村同士でも成り立つはず。発想の転換が必要になりますが。議員さんたちが反対して合併ができないのであれば、提携して実質的な合併効果を少しでも求めていくことは可能だと思います。国際化と同時に、県際化、市際化、町際化、そして業際化を進めていこうではありませんか。
近隣諸県と対岸諸国をひとつの経済プレート(基盤)にのせて、これまで東京の経済にいつも強く影響を受けてきた北陸経済を新しく展開していかなければ富山の経済に明日はないと思います。JCに期待するところ大であり、一緒にやっていきましょう。
中村 環日本海交流に関しては富山ブロックとしても、県と協力して一緒に進めていかなければならないと思いますし、昨年まで18回続いていました「少年の翼」に関しましても、オレゴンはやめまして、環日本海ということでそちらの方面の事業に変えるべきなのではないか、と考えています。今回の市町村合併により、権限委譲に伴ってこれからは地方分権が益々進みますので、『自分たちのまちは自分たちで創る』という基本的な姿勢が大切になってきます。そうなると住民も必然的に政治に無関心ではいられないという状況になってくるのではないかと思います。また、都道府県の役割もスリム化されますから、次は道州制へと進むことになってきます。その中で県を越えた枠組みのネットワークを構築していくことは、あくまで官主導ではなく、民主導でなければ遅々として進まないでしょう。今のパラダイムシフトのスピードに素早く対応できるのは、やはり民だからこそだと思いますし、実際 経済界の交流はとっくに市際化、県際化、国際化しています。その民の力をうまく活用して、縄張り意識の強い行政枠を打ち破っていくことがこれからの課題だと思います。さらに、地域住民とNPO、行政などの橋渡しをすると共に、自らも積極的な変化を創り出していくことが我々青年会議所のこれからの役目でしょう。頑張りたいと思います。

ゲストの皆さん今後ともご意見をよろしくお願いします。本日はありがとうございました。
取材協力 ㈱インテック
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(社)日本青年会議所富山ブロック協議会 2004年度広報誌OASISより抜粋
by fumitakashien2005 | 2005-07-30 07:00 | プロフィール